この記事の図解

人生会議で大切にしたいこと

一度で結論を出さず、本人の価値観を中心に何度でも話し合います。

  1. 大切にしたいこと

    本人の希望や避けたいことを聞く

  2. 情報を共有

    治療の利点と負担を確認

  3. 繰り返し話す

    体調や気持ちの変化に合わせる

点滴とは

点滴とはのイメージ

点滴とは、血流の遅い血管である静脈に、水分や栄養素を補給する注射。

ここでは、点滴の目的と種類を解説します。

点滴の目的

点滴は、患者の生命維持をするため「水分」「ミネラル」「栄養素」を補給します。

以下では「水分」「ミネラル」「栄養素」について解説します。

水分

人間の身体の約6割は水分で、血液などの体液を構成しています。水分が不足すると、脱水症などの病気が現れるため、体全身に必要な血液量を維持することが困難になります。体全身に必要な血液量が不十分になると、脳や心臓に酸素と栄養素が行き渡らなくなるため、生命維持が困難になります。

ミネラル

ミネラルは、電解質とも呼ばれ、食塩の構成成分であるナトリウムやクロル、果物に多く含まれるカリウムなどがあります。ミネラルのなかでも、カリウムは、筋肉や神経細胞の働きに関与する重要な役割があります。細胞と血液間のカリウムのバランスが崩れると、心臓の働きが悪くなり、生命維持が困難になります。

栄養素

栄養素は「炭水化物」「タンパク質」「脂質」「ビタミン」「微量元素」のことをさします。人間の身体は、栄養素から構成されているため、生命維持に必要不可欠です。

点滴の種類

点滴の種類には「電解質輸液」「栄養輸液」の2つがあります。さらに、栄養輸液は「太い血管である中心静脈からの栄養補給」「細い血管である末梢静脈からの栄養補給」の2つに分けられます。

以下では「電解質輸液」「栄養輸液」のそれぞれについて解説します。

  • 電解質輸液

電解質輸液は、水分とミネラルで構成されています。医師は患者の脱水兆候や血液検査データなどから判断し、必要な水分量とミネラル量を補給します。

  • 栄養輸液

栄養輸液は、水分とミネラルに加え、栄養素で構成され、栄養不足の人が対象です。中心静脈からは、長期間にわたって1日に必要なエネルギー量を補給できます。しかし、末梢静脈からは、副作用の観点から長期間にわたって1日に必要なエネルギー量を補給することができません。

高齢者における点滴メリット・デメリット

高齢者における点滴メリット・デメリットのイメージ

点滴は、口から食事などを摂取する通常の経路とは違う方法で水分や栄養素などを補給するため、メリット・デメリットがあります。

ここでは、点滴メリット・デメリットを解説します。

点滴のメリット

点滴メリットは、以下のとおりです。

  • 経口摂取や経管栄養(胃や腸に直接、栄養補給ができる方法)と比べて、食事を誤嚥するリスクがない
  • ※誤嚥とは、食事などが誤って肺に入り込んでしまうこと
  • 嚥下・摂食機能障害があっても、水分や栄養などを補給できる
  • 胃や腸などの消化管が機能していなくても、水分や栄養などを補給できる

胃や腸などの消化管が機能していない人は、水分や栄養などを補給する方法。水分や栄養などを補給する方法が限られている人にとって、生きる希望。

点滴のデメリット

点滴のデメリットは「点滴全般」「中心静脈からの栄養補給」に分けて考える必要があります。

「点滴全般」のデメリットは、以下のとおりです。

  • 電解質バランスを崩しやすい
  • 針を血管に刺すので、患者本人にとって苦痛がある
  • 末梢静脈からの点滴は静脈炎が起こり、針の入る血管がなくなる

「中心静脈からの栄養補給」のデメリットは、以下のとおりです。

  • 針の差込み口から、細菌などに感染しやすい
  • 糖を多量に投与するため、血糖値が高くなりやすい
  • 長期間続けていると、脂肪肝を起こすことがある
  • 介護者側の管理の負担が大きい

点滴のなかでも、中心静脈からの栄養補給は、人間が生命活動を行う上で必要な1日のエネルギー量を補うことができます。しかし、上述のような合併症を起こすリスクがあるため、治療管理に注意が必要です。

点滴はつらい延命治療になるのか

点滴はつらい延命治療になるのかのイメージ

点滴は、患者本人や家族が希望すれば、人生の最期まで行える治療の一つです。

ここでは「点滴の生命予後」「意思疎通が図れない患者の点滴」を解説します。

点滴の生命予後

生命予後とは、手術や病気が生命維持に与える影響のことをさします。

点滴の生命予後は「末梢静脈からの栄養補給」「中心静脈からの栄養補給」で違いがあるものです。

以下の図から、末梢静脈からの栄養補給は、平均約2カ月の期間、生きられます。一方、中心静脈からの栄養補給は、平均約6カ月の期間、生きられます。また、経管栄養は平均約2年の期間、生きられるため、点滴の平均余命は短いことがわかります。

引用 老年医学会雑誌第44巻2号 老年医学会雑誌第44巻2号

、点滴を受けるか否かの選択を親族がする場合は平均余命が参考になります。点滴を受ける選択をした場合は、約2カ月の間に親族が患者と最期の顔合わせの時間をれるため、有意義。点滴を受ける場合は、メリット・デメリットを考慮して、選んだほうがよいでしょう。

意思疎通が図れない患者の点滴

意思疎通が図れない患者の点滴(特に、中心静脈からの栄養補給)については、賛否両論あります。患者の親族は、点滴を受けたほうが本人のためになるのか、簡単には決められません。

しかし、親族が悩んで出した選択は、、間違いはないといえます。

点滴を受ける選択をした場合は、良い経過を辿れば、摂取可能性があります。日常生活を取り戻せる。

良い経過を辿場合、一緒に生活できる時間が増えことに価値がある。

点滴を含めた延命治療の選択をしなかった場合は、患者本人が自然な死を迎えるための看取りになります。看取りの医療は、患者が最期を迎えるまで、痛みや息苦しさといった苦痛を取り除きます。そのため、苦痛をできるだけ和らげながら、最期を迎えられるように支援します。

点滴を受けるかどうかについて、あらかじめ意思を伝えておくことが大切です。

さらに、親族が点滴を受ける選択に苦しむことも最小限に抑えられます。点滴を含めた延命治療の希望は、患者本人の意思がはっきりしている間に聞いておきましょう。

まとめ

点滴を受けるか否か選択するために

点滴を受けるか否か選択するためにのイメージ

点滴は、生命維持をするために、摂取が困難な状態である人が受けられます。

点滴を受ける際には、メリット・デメリットを知っておく必要があります。

点滴を受けるか否か選択するのは、患者本人にとって生きているのが辛い延命治療になるのか判断が難しいものです。しかし、患者の親族が悩んで出した選択は、どういった結果になろうと、間違いは。

参考資料
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