この記事の図解

セルフメディケーションの基本

症状だけで薬を選ばず、安全に使える条件を順番に確認します。

  1. 症状を知る

    いつから、どの程度かを整理

  2. 薬を確認

    持病・処方薬との重複を確認

  3. 見切りを決める

    改善しないときは受診へ切り替える

痒みとは

痒みとはのイメージ

痒みは、誰もが感じたことのある一般的な症状です。

ここでは「痒みのメカニズム」「痒みが現れる病気」を解説します。

痒みのメカニズム

痒みは皮膚についた異物を取り払うための生体防御反応であると言われており、以下のように定義されています。

引っ掻きたいという欲求を引き起こす不快な皮膚感覚

引用元サイトを開く 日本皮膚科学会「痒疹(ようしん)・かゆみ」

引用 皮膚における痒みの発生メカニズム:ケラチノサイトの産生する新規痒み因子と痒み増強因子 日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)131,361~366(2008)安東 嗣修

解明されている痒みのメカニズムの1つには、かゆみ物質であるヒスタミンが関係しているとわれています。

痒みが原因で皮膚を引っ掻いた場合は、一時的な快感を得られます。同時に引っ掻いた部位には炎症が起こり、ヒスタミンが産生され、痒みが増強します。

痒みを抑えるには「痒みの発生→引っ掻く→ヒスタミンの産生→痒みの増強」という悪循環を断ち切らなければなりません。

痒みが現れる病気

痒みが現れる病気

痒みが現れる病気は、以下のとおり複数あります。

  • 湿疹が慢性的に現れるアトピー性皮膚炎
  • 何らかの物質に触れてアレルギー反応が起こる接触性皮膚炎
  • 原因不明の湿疹が現れる蕁麻疹
  • 水虫の原因菌からなる白癬
  • 排尿を調節する腎臓に障害が起こる慢性腎不全

軽いかゆみには市販薬を検討できますが、全身症状を伴う場合や強い症状が続く場合は、医療機関を受診してください。

痒み止めの市販薬の選び方

痒み止めの市販薬の選び方のイメージ

痒みを抑えるには、生活状況や皮膚の状態に合わせて、かゆみ止めの市販薬を選びましょう。

ここでは、痒み止めの「内服薬」「外用薬」を解説します。

全身に痒みが現れた時に使う痒み止めの内服薬

全身に痒みが現れた時は、全身に効果が出るため、かゆみ止めの内服薬を検討します。痒み止めの内服薬は「抗ヒスタミン薬」「漢方薬」の2つに分かれます。以下には「抗ヒスタミン薬」「漢方薬」の特徴を解説します。

  • 抗ヒスタミン薬

抗ヒスタミン薬は、かゆみに関係するヒスタミンの働きを抑えます。主な成分は次のとおりです。

【成分】

フェキソフェナジン

エピナスチン

クロルフェニラミン

ジフェンヒドラミン

抗ヒスタミン薬は、一般的に眠気の副作用が出やすいとわれているため、車の運転や集中力が必要な仕事がある場合は抗ヒスタミン薬の服用に注意が必要です。

、どうしても痒み止めの市販薬が必要な場合は、眠気の副作用が出る可能性の少ないフェキソフェナジンを選びしましょう。また、薬の飲み忘れが気になる場合は、1日1回の服用で24時間の効果が認められているエピナスチンの服用をおすすめします。

ただし「前立腺肥大症」「緑内障」の診断を受けている人は、抗ヒスタミン薬を飲むと、病状が悪化する可能性があるため、主治医や薬剤師に相談してから飲むようにしましょう。

  • 漢方薬

痒み止めの漢方薬には、炎症を抑える作用があるため、痒みに効果があります。種類は以下のとおりです。

【種類】

当帰飲子

温清飲

消風散

漢方薬を選ぶタイミングは抗ヒスタミン薬の「効果が不十分である」もしくは「副作用が出ている」ときです。ただし、どの種類の漢方薬を選べばいかは、体質や皮膚症状などによって異なるため、漢方薬の知識がある医師や薬剤師に相談しましょう。

局所的な痒みに使う痒み止めの外用薬

局所的な痒みが現れた時は、内服薬に比べて副作用が現れにくいため、外用薬を選びましょう。びましょう。

ここでは「ステロイド」「抗ヒスタミン薬」「保湿剤」を解説します。

ステロイド

ステロイドは、炎症を抑える作用があるため、痒みに効果があります。皮膚が赤くはれているような場合は、外用薬のなかで痒みを抑える作用が強いステロイドを選びましょう。

ステロイドは副作用が怖いというイメージがある。、外用薬は、内服薬に比べて体への吸収率が低く、副作用が出にくい。さらに、市販薬の場合は、ステロイドのなかでも、効果が弱いものに限られているため、安心して使用ます。

抗ヒスタミン薬

外用薬の抗ヒスタミン薬である「クロルフェニラミン」「ジフェンヒドラミン」は、かゆみ物質であるヒスタミンの働きを抑えます。抗ヒスタミン薬はステロイドに比べて痒みを抑える効果が弱いため、皮膚の赤みがない痒みに選びましょう。

保湿剤

保湿剤の「白色ワセリン」「ヘパリン類似物質」は保湿効果があるため、痒みの原因になる皮膚の乾燥がある人におすすめです。

アトピー性皮膚炎は新生児期から保湿剤を使うことで予防できることがわかっています。アトピー性皮膚炎の予防に関しては「アトピー性皮膚炎の予防は新生児から!2つの方法で生涯安心」の記事を参考にしてください。

痒み止めの外用薬は、上述の成分が複数配合されているため、皮膚症状から自分に合ったものを選びましょう。

痒み止めの市販薬の使い方

痒み止めの市販薬の使い方のイメージ

痒み止めの市販薬は、適正に使用するために、使い方が重要です。

ここでは「添付文書通りに使う」「皮膚症状に合わせて使う」を解説します。

有効性・安全性が確認されている添付文書通りに使う

市販薬には、安全に使用するために、用法・用量の記載がある添付文書が必ず同封されています。

添付文書に記載している用法・用量は、国が認める信頼性の高い審査機関の試験を通過しており、承認された範囲で有効性と安全性が確認されています。

そのため、添付文書通りに使わなかった場合は、十分な効果が得られません。また、副作用が強く出ることがあります。

用法が1日3回のところを1日1回の服用では、薬が体内から消失するため、1日中持続的に効果を得られません。また、最大用量が1日1錠の薬は、2錠以上を服用すると、相加効果で副作用が現れやすくなります。

皮膚症状に合わせて使う

かゆみ止めの外用薬は、皮膚の状態によって使い分けます。不明な場合は薬剤師に相談してください。

外用薬を効果的に使うには、薬の効果を皮膚症状に合わせることが重要になります。

皮膚症状に合わせた外用薬の使い方は以下のとおりです。

  • 赤みのある皮膚の場合は、炎症があるため、ステロイドが含有されている外用薬
  • 赤みのない皮膚の場合は、炎症がないため、抗ヒスタミン薬が含有されている外用薬
  • 皮膚の乾燥がある場合は、保湿が必要なため、ヘパリン類似物質や白色ワセリンが含有されている外用薬

皮膚の「赤み」と「乾燥」があるなど皮膚症状が複合している場合は、ステロイドと白色ワセリンの2種類とも使うなど工夫しましょう。

痒み止めの市販薬の効果判定

痒み止めの市販薬の効果判定のイメージ

痒み止めの市販薬の効果を高めるには、効果判定が欠かせません。

ここでは、痒み止めの市販薬の効果判定の方法を解説します。

市販薬の変更や病院受診を判断するために効果の評価

痒みを抑えるには、適切なタイミングで効果判定が必要になります。

ほとんどの内服薬の効果が最大限になるのは、服用後、約2時間です。そのため、効果を判定するタイミングは、薬の効果時間に誤差があるのを加味して、約3時間後です。

ただし、1日1回服用のエピナスチンは、効果が最大限になるまで約4日間かかるため、5日後に効果を判定しましょう。

外用薬薬を塗ってから約30分後に効果が現れてきます。

効果が得られた場合は、皮膚の赤みや痒み治まるまで服用しましょう。効果が得られない場合は「市販薬を変える」もしくは「病院受診」をしましょう。

  • 市販薬を変える

市販薬を変える場合は、成分を変えないと意味がないため、成分名を確認するように注意。

  • 病院受診

病院受診の目安は「皮膚の赤み」や「寝られないくらいの痒み」が続いた場合です。病院受診する診療科は、検査や効果の高い薬をもらうために、皮膚科を受診しましょう。

市販薬を安全に使うために副作用の評価

薬の副作用は「薬の効果時間」から出るタイミングがわかります。

痒み止めの市販薬の代表的な副作用は、以下のとおりです。

  • 呼吸困難などの重篤なアレルギー症状
  • 便秘
  • 眠気

ここでは、代表的な副作用に対する「副作用の判定」「副作用の対処方法」を説明します。

呼吸困難などの重篤なアレルギー症状が現れた場合

痒み止めの市販薬を服用、1日以内に「呼吸困難」などの重篤なアレルギー症状が現れることがあります。運動していないのに呼吸困難がある場合は、重症化すると命に関わるため、救急を受診しましょう。アレルギー症状を抑える働きがある抗ヒスタミン薬も、アレルギー反応を起こすことがあるため、注意。

便秘が現れた場合

副作用は「抗ヒスタミン薬の作用」が原因のため、抗ヒスタミン薬を含有していない痒み止めの市販薬に変えることで消失します。

眠気が現れた場合

眠気の副作用が出るタイミングは、2時間ほどです。眠気の副作用が出た場合は、車の運転や仕事など集中力が必要な場面を避けましょう。

まとめ

受診が必要な状態を見極めながら我慢できない痒みを抑えるために

受診が必要な状態を見極めながら我慢できない痒みを抑えるためにのイメージ

市販薬を使い、すばやくかゆみを抑えます。

痒み止めの市販薬の効果を高めるためには「選び方」「使い方」「効果判定」が必要です。

仕事や家事などで忙しく、受診する時間がとれない場合でも、症状が続くときは医療機関へ相談してください。本文で紹介したかゆみのメカニズムや市販薬について理解を深めてから、適した対策を行いましょう。

参考資料
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