セルフメディケーションの基本
症状だけで薬を選ばず、安全に使える条件を順番に確認します。
- 症状を知る
いつから、どの程度かを整理
- 薬を確認
持病・処方薬との重複を確認
- 見切りを決める
改善しないときは受診へ切り替える
胸焼けとは

胸焼けとは、胸のあたりに「焼ける」「違和感」「痛み」を感じる症状。
ここでは「胸焼けのメカニズム」「胸焼けが現れる病気」「市販薬をを解説します。
胸焼けのメカニズム
食道に逆流しないように胃食道逆流防止機構が働いています。そのため、逆立ちをしても胃酸が逆流しないようになっています。
胃酸が食道に逆流を引き起こす主な原因は、胃酸過多です。胃酸過多の原因は以下のとおり複数あります。
- 病気
- 脂肪分の多い食事
- アルコール過剰摂取
- 香辛料の過剰摂取
胸焼けが現れる病気
胸焼け気は、以下のとおり胃と食道の細胞に変化があり、放置すると命に関わる事があります。
- 胃酸の逆流が原因で食道に炎症が起こる逆流性食道炎
- 胃に穴が開く胃潰瘍
- 胃に炎症が起こる胃炎
- 食道がん
- 胃がん
胸焼けを抑える市販薬を前に胃カメラで検査
胸焼けが続く場合は、病院で胃と食道の現状を把握してから、市販薬を。
市販薬で胸焼けが一時的におさまっても、背景に病気が隠れていることがあります。市販薬を使い続けることで発見が遅れる可能性もあるため、症状が続く場合や繰り返す場合は受診してください。
実際にお会いした患者さんのなかには「胃カメラは辛いから嫌だ」という理由で、胸焼けが頻繁に現れているのに病院に行かない選択をしていました。胃カメラが辛い、わかります。
しかし、胃がんなどの命に関わる病気の発見が遅れると、「胃の切除」「鎮痛薬が効かない」など普段の生活が送れななるため、胃カメラの辛さ以上に苦痛が伴います。
胸焼けが続く場合は、医療機関で胃や食道の状態を確認してから市販薬を使う方が安全です。胃がんの予防については、関連記事も参考にしてください。
詳細は「胃がんは予防できる!生活習慣の改善とピロリ菌の除菌治療がおすすめ」の記事を参考にしてください。
胸焼けを抑える市販薬の選び方

胸焼けを抑える市販薬は種類が豊富です。
ここでは「過剰に出る胃酸を抑える薬」「胃酸から胃粘膜を守る薬」「胃腸の炎症を抑える漢方薬」の3つを解説します。
過剰に出る胃酸を抑える薬
過剰に出る胃酸を抑える作用のある市販薬は、「ファモチジン」「ピレンゼピン」の2つの成分です。
胸焼けが現れる原因の胃酸過多に直接作用するため、他の市販薬と比べて胸やけの症状を抑える効果が高いといえます。特に、ファモチジンは、夜間の胃酸分泌を抑える効果は、高いことが知られています。
しかし、ファモチジンは、尿と一緒に体外へ排出される腎排泄型の薬剤であるため、腎臓病など腎臓の機能が低下している人は、副作用が強く現れることがあります。
そのため、腎臓の機能に合わせて用量を調整するなど服用する際に注意が必要です。ファモチジンの副作用には「痒みなどアレルギー症状」「便秘」「注意力・思考力の低下などせん妄」などがあります。
一方、ピレンゼピンの副作用は「のどが渇く」「注意力・思考力の低下などせん妄」「脈拍の回数が頻回になる頻脈」「尿が出なくなる尿閉(男性)」などがあります。心不全や前立腺肥大症のある方は、主治医や薬剤師に相談してから服用しましょう。
胃酸から胃粘膜を守る薬
胃酸から胃粘膜を守る市販薬の作用は「胃酸を中和する作用」「胃酸から胃の細胞を守る粘液量の増加作用」の2つで、間接的に胸焼けの症状を抑えます。
【成分】
- 炭酸水素ナトリウム
- マグネシウム
- カルシウム
- スクラルファート
胃酸から胃粘膜を守る市販薬副作用痒みなどアレルギー症状、安全性が高いといえます。
胃腸の炎症を抑える漢方薬
漢方薬の作用は、胃腸の炎症を抑えるなど健胃作用で、間接的に胸焼けの症状を抑えます。
【成分】
- 桂皮(ケイヒ)
- 生姜(ショウキョウ)
- 黄連(オウレン)
- 黄柏(オウバク)
漢方の市販薬副作用痒みなどアレルギー症状安全性が高いといえます。
ファモチジン以外の胸焼けを抑える市販薬は、複数の成分が配合されたものが多くあります。胃酸を抑える市販薬以外は、効果に大きな違いがありません。
、市販薬の「効果」「副作用」「」などを考慮して「自分合う市販薬」を選んだ方がよいでしょう。
胸焼けを抑える市販薬の使い方

市販薬には、安全に使用するために、用法・用量の記載がある添付文書が必ず同封されています。
添付文書に記載している用法・用量は、国が認める信頼性の高い審査機関の試験を通過しており、承認された範囲で有効性と安全性が確認されています。
そのため、添付文書通りに使わなかった場合は、十分な効果が得られません。、副作用が強く出ることがあります。
特に、過剰に出る胃酸を抑える成分が配合されている市販薬は、1日2回まで5回過量服用すると、相加効果で「便秘」「注意力・思考力の低下などせん妄」などの副作用が現れやすくなります。
ファモチジンの場合、腎臓病など腎臓の機能が低下している人は、添付文書通りの用量で副作用が出ることがあります。その、医師や薬剤師に相談してから服用するようにしましょう。
胸焼けを抑える市販薬の効果判定

胸焼けを抑える市販薬をうまく活用するには、効果判定が欠かせません。
ここでは、市販薬の効果判定方法と効果判定の後に取る行動を解説します。
効果を判定するタイミング
胸焼けを抑えるには、適切なタイミングで効果判定が必要になります。
胸焼けを抑える市販薬の効果が最大限になるのは、服用後、約24時間です。そのため、効果を判定するタイミングは、薬の効果時間に誤差があるのを加味して、約5時間後です。
約5時間後に効果が得られた場合は、添付文書通りの使い方で、胸焼けが完全に治まるまで服用しましょう。
一方で、得られない場合は「市販薬を変える」もしくは「病院受診」をよいでしょう。
- 市販薬を変える
市販薬を変更する場合は、症状や持病、併用薬によって適否が異なるため、自己判断で切り替えず薬剤師へ相談してください。
、ファモチジンとファモチジン以外の薬服用しても薬の作用が違うため体に問題ありません。
- 病院受診
病院受診の目安は、胸焼けに伴って「吐血」「便に血が混じる黒色便」のどちらかの症状が現れた場合です。病院受診する診療科は、消化器内科を選んでください。ただし、貧血の薬物治療で鉄剤を飲んでいる場合は、薬の影響で黒色便になるため、注意してください。
期待していない副作用を判定する
薬の副作用は「薬の効果時間」から出るタイミングがわかります。
胸焼けを抑える市販薬の代表的な副作用は、以下のとおりです。
- 痒みなどのアレルギー症状
- 注意力・思考力の低下などせん妄
- 便秘
ここでは、代表的な副作用に対する「副作用の判定」「副作用の対処方法」を説明します。
痒みなどのアレルギー症状が現れた場合
胸焼けを抑える市販薬を服用して、1日以内に「全身の皮膚が赤い」「全身の掻痒感」「呼吸困難」などのアレルギー症状が現れることがあります。アレルギー症状の度合いによって、以下のとおり行動が異なります。
- 全身の皮膚が赤いだけの場合は、薬の服用をやめて、そのまま様子を見る。
- 全身の掻痒感があり、居ても立っても居られない場合は、痒みを抑えるために家の近くの皮膚科を受診する。
- 運動していないのに呼吸困難がある場合は、重症化すると命に関わるため、救急を受診する。
注意力・思考力の低下などせん妄が現れた場合
せん妄の症状は、以下のとおり複数あります。
- 意味不明な言葉を発する
- 注意力・思考力の低下
- 攻撃的になる
- 幻覚・幻聴
意識や思考の変化が現れた場合は服用を中止し、速やかに医療機関へ相談してください。
便秘が現れた場合
便秘の副作用は、市販薬を1種間ほど飲み続け。副作用は、過剰に出る胃酸を抑える薬の作用が原因のため「過剰に出る胃酸を抑える成分が配合されていない市販薬に変える」または「市販薬の服用を止める」ことで便秘が改善します。
まとめ
食べ過ぎた後の胸焼けを解消するために

胸焼けは、胃に存在している胃酸が食道に逆流することで起こります。なかでも、脂っこい物を食べすぎた時に起こる胸焼けは、市販薬が有効です。
胸やけを抑える市販薬には「選び方」「使い方」「効果判定」が必要です。
受診する時間がとれない場合でも、症状が続くときは医療機関へ相談してください。

