この記事の図解

人生会議で大切にしたいこと

一度で結論を出さず、本人の価値観を中心に何度でも話し合います。

  1. 大切にしたいこと

    本人の希望や避けたいことを聞く

  2. 情報を共有

    治療の利点と負担を確認

  3. 繰り返し話す

    体調や気持ちの変化に合わせる

胃ろうとは

胃ろうとはのイメージ

胃ろうとは、胃に穴をあけて、栄養を摂取するために作られます。

ここでは、胃ろうの対象と目的を解説します。

対象

胃ろうは、主に嚥下・摂食機能障害がある。

嚥下・摂食機能障害がある方は、口から食事などを摂取することが難しいです。

嚥下・摂食機能障害を起こす病気は「脳」「神経・筋肉」「胃・食道」に関連します。

具体的には、以下のとおりです。

脳梗塞(脳の血管が詰まる病気)

脳出血(脳の血管が破れて出血する病気)

認知症(短期記憶障害の病気)

脳腫瘍(脳にがんができる病気)

ALS(全身の筋肉が衰えていく病気)

食道がん(食道にがんができる病気)

嚥下・摂食機能障害以外にも、肺炎を繰り返すなど口から食事を摂取できない方が胃ろうの対象になります。ただし、全身状態が悪い方などは、嚥下・摂食機能障害があっても対象から外れます。

目的

胃ろう

人が生命維持をするには「人の構成成分」である炭水化物・タンパク質・脂質などの栄養や水分の摂取が欠かせません。そのため、胃ろう造設した患者は、1日の必要栄養量や水分量を食事の代わりに専用の栄養剤から摂取します。専用の栄養剤は、炭水化物・タンパク質・脂質など栄養の構成成分の違った種類があるため、各個人に合わせた「栄養剤の選択」が必要です。

胃ろうのメリット・デメリット

胃ろうのメリット・デメリットのイメージ

胃ろうは、人工物を胃に留置することになります。胃ろうを造設する際には、メリット・デメリットを知っておく必要があります。

ここでは、胃ろうのメリット・デメリットを解説していきます。

メリット

胃ろうは、生命維持以外のメリットがあります。

胃ろうのメリットは、以下のとおりです。

  • 他の栄養法に比べて、患者本人への侵襲的な負担が少ない
  • 服を着ていれば、胃ろうの有無がわからないため、外出しやすい
  • 口から食事などを摂取するときと比べて、誤嚥のリスクが低い
  • ※誤嚥とは、食事などが誤って肺に入り込んでしまうこと
  • 経口薬を胃ろうから服用できる

なかでも、誤嚥のリスクを減らせるのは、誤嚥性肺炎の原因を取り除けることから、大きなメリットだといえます。誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液などが気管に入り、肺に炎症を起こす病気です。

デメリット

胃ろうには、メリットだけではなく、

デメリットがあります。

胃ろうのデメリットは、以下のとおりです。

  • 下痢になりやすい
  • 栄養剤や水分が逆流する
  • ミネラルバランスが崩れる
  • 胃ろう部分が炎症を起こす

デメリットの主な原因は、栄養剤の性質が関係しています。

痢になりやすいのは、腸の中を流れる栄養剤の速度が速すぎるためです。下痢が起こった場合は、投与速度を緩めたり、液体タイプから半固形タイプに変えたりします。他にも、ミネラルバランスが崩れるのは、栄養剤に含まれる塩の量が少ないためです。ミネラルバランスが崩れた場合は、食塩を付加するなどします。

胃ろうは延命治療になるのか

胃ろうは延命治療になるのかのイメージ

胃ろうは、生きたいと願う人にとって、希望の光です。

ここでは「胃ろう造設後の生命予後」「意思疎通が図れない患者の胃ろう」について解説します。

生命予後

生命予後とは、手術や病気が生命維持に与える影響のことをさします。

胃瘻造設した半数の方が約2年以上の期間、生きることができます。

参照 平成 22 年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)

認知症患者の胃ろうガイドラインの作成 ―原疾患、重症度別の適応・不適応、見直し、中止に関する調査研究― 調査研究事業報告書

参考サイトを開く

介護する側は、胃ろう患者を2年以上世話していく環境や心の準備が必要です。

高齢の胃ろう患者は、介助がないと生きていけません。たとえば、自宅で介護する場合は、栄養剤の注入、オムツ交換、体位交換などの身の回りの世話のほとんどをしなければならない状況になります。そのため、介護者側の身体的・精神的な負担は、大きいものです。しかし、親族にとって、一緒に生活できる時間は、かけがえのないものです。胃ろう造設は、メリット・デメリットを考慮して、選んだ方がよいでしょう。

意思疎通が図れない患者の胃ろう

医療現場では、意思疎通できない患者に対して、患者の親族が胃ろうを作るかどうかの判断を迫られるケース多いものです。

意思疎通が図れない患者の胃ろう造設については、賛否両論あります。患者の親族は、胃ろうを作った方が本人のためになるのか、簡単には決められません。

胃ろう造設の選択をした場合は、良い経過を辿れば、再び口から食事を摂取する可能性があります。そのため、まで通りの日常生活を取り戻せる可能性がます。良い経過を辿らなかった場合は、一緒に生活できる時間が増えることに価値があります。

胃ろう造設を含めた延命治療の選択をしなかった場合は、患者本人が自然な死を迎えるための看取りになります。看取りの医療は、患者が最期を迎えるまで、痛みや息苦しさといった苦痛を取り除きます。そのため、苦痛を、最小限に最期を迎えることができます。

本来は、患者本人が事前に胃ろう造設希望の意思表示をしておくと、患者本人の身体的・精神的な苦痛を最小限にして最期を迎えられます。さらに、親族が胃ろう造設の選択に苦しむことも最小限に抑えられます。胃ろうを含めた延命治療の希望は、の意思がはっきりしている間にましょう。

まとめ

胃ろう造設の選択をするために

胃ろう造設の選択をするためにのイメージ

胃ろうは、生命維持をするために、嚥下・摂食機能障害のある方を対象に作られます。

胃ろうを造設する際には、メリット・デメリットを知っておくことが重要です。

親族が胃ろう造設の選択をするのは、患者本人にとって延命治療になるのか判断が難しいものです。しかし、患者の親族が悩んで出した選択は、どういった結果になろうと、間違いはありません。

参考資料
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