セルフメディケーションの基本
症状だけで薬を選ばず、安全に使える条件を順番に確認します。
- 症状を知る
いつから、どの程度かを整理
- 薬を確認
持病・処方薬との重複を確認
- 見切りを決める
改善しないときは受診へ切り替える
咳とは

咳が出るのは、理由があります。
ここでは、咳の「メカニズム」「分類」について解説します。
体に必要な反応である咳のメカニズム
咳のメカニズムは以下のとおりです。
咳嗽反応(反射)は、気道内に貯留した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に排除するための生体防御反応である。
引用元サイトを開く 日本呼吸器学会誌「遷延性・慢性咳嗽に関する資料」
引用 日本呼吸器学会 咳嗽に関するガイドライン第2班
異物は、以下のとおりです。
ウイルス
細菌
食物残渣
飲料水
唾液
咳のメカニズムがわかれば、体に必要な反応だということが分かります。ただし、咳の中には、異物に過剰反応を示し「体にとって必要ない咳」を起こすことがあります。
なかでも「寝つけない」「仕事に集中できない」など生活に制限がかかる咳が出る場合は、咳の原因に合わせた治療を受けることが大切です。ることが大切です。
また、咳に伴って「安静時の呼吸困難」「咳と同時に口から出る鮮やかな血」「明らかな浮腫み」の症状が合わられた場合は、呼吸器内科や循環器内科を受診しましょう。
一方で、体にとって生活に支障が出ない咳は、治療せずに経過を見ていても生活に困ることはありません。
原因が絞れる咳の分類
以下のとおり分類できます。
咳嗽は持続期間により、3 週間未満の急性咳嗽、3 週間以上 8 週間未満の遷延性咳嗽、8 週間以上の慢性咳嗽に分類する。
引用元サイトを開く 日本呼吸器学会誌「遷延性・慢性咳嗽に関する資料」
引用 日本呼吸器学会 咳嗽に関するガイドライン第2班
咳の原因となる病気は、以下のとおり複数あります。
肺がん
ウイルスが原因の風邪
呼吸困難にならない咳喘息
喫煙が原因で発症する慢性閉塞性肺疾患
呼吸するときに「ゼーゼー」する気管支喘息
アレルギー体質の人がなりやすいアトピー咳嗽
胃酸が空気の通り道に入ってしまう胃食道逆流症
なかでも、頻度が高い風邪が原因の咳は、市販薬をうまく活用することで対処できます。
咳止めの市販薬の選び方

咳止めの市販薬には、複数の種類があります。
ここでは、薬の成分から、市販薬の選び方を解説します。
咳止めの成分が配合された市販薬を選ぶ
咳止めの市販薬は、大きく分けて「鎮咳薬」「気管支拡張薬」「抗アレルギー薬」の3種類です。
- 鎮咳薬
鎮咳薬は、その名のとおり咳が出る中枢に作用するため、直接的に咳を鎮めます。
デキストロメトルファン
ジヒドロコデイン
- 気管支拡張薬
気管支拡張薬は、空気の通り道を広げる作用があるため、間接的に咳を鎮めます。さらに、息苦しさも軽減します。
テオフィリン
エフェドリン
麻黄(マオウ)
- 抗アレルギー薬
抗アレルギー薬は「アレルギー反応を抑える作用」があるため、アレルギー反応が原因の咳を鎮めます。そのため、花粉症やアトピーなどアレルギー体質の人は、抗アレルギー薬が配合されている市販薬を選びましょう。
クロルフェニラミン
ジフェンヒドラミン
咳に伴う症状に効果のある成分
咳止めの市販薬には「痰」や「のどの痛み」など咳に伴う症状に効果のある成分が配合されており、大きく分けて「去痰薬」「抗炎症薬」の2つです。
- 去痰薬
去痰薬は、痰の切れを良くする作用があるため、痰を体の外に出しやすくなります。
カルボシステイン
ブロムヘキシン
グアイフェネシン
- 抗炎症薬
抗炎症薬は、痛みなど炎症を抑える作用があるため、のどの痛みが改善されます。
桔梗(キキョウ)
トラネキサム酸
甘草(カンゾウ)
咳止めの市販薬には、さまざまな効果の成分が入っている、症状や体質に合わせて選びましょう。ただし「前立腺肥大症」「緑内障」の診断を受けている人は、抗アレルギー薬の入った咳止めの市販薬を飲むと、病状が悪化する可能性があるため、注意が必要です。
咳止めの市販薬の使い方

咳止めの市販薬の効果を安全に得るためには、使い方が重要です。
ここでは、市販薬の効果的な使い方を解説します。
有効性・安全性が確認されている添付文書通りに使う
市販薬には、安全に使用するために、用法・用量の記載がある添付文書が必ず同封されています。
添付文書に記載している用法・用量は、国が認める信頼性の高い審査機関の試験を通過しており、承認された範囲で有効性と安全性が確認されています。
そのため、添付文書通りに使わなかった場合は、十分な効果が得られません。さらに、副作用が強く出ることがあります。
具体的には、用法が1日3回のところ1日1回の服用では、薬が体内から消失するため、1日中持続的に効果を得られません。また、最大用量が1日6錠の薬は、7錠以上を服用すると、相加効果で副作用が出やすくなります。
他には、テオフィリンが配合されている咳止めの市販薬は、喫煙によって効果が弱くなるので注意が必要です。
添付文書に記載がない効果的な使い方
服用タイミングは添付文書を確認する
人によっては、咳が1日中出るわけではなく「日中のみ」「夜間のみ」など決まったタイミングに咳が出ることがあります。ることがあります。
夜間にのみ咳が出るため、寝つきが悪い人は、寝る1時間前くらいに咳を鎮める市販薬を服用しましょう。
食前・食後などの服用条件は製品によって異なるため、自己判断で変更せず、添付文書を確認してください。
市販薬を効果的に使うには、添付文書通りに使い、咳が出て欲しくないタイミング服用しましょう。
咳止めの市販薬の効果判定の方法

咳止めの市販薬をうまく活用するには、効果判定が欠かせません。
ここでは、市販薬の効果判定方法と効果判定の後に取る行動を解説します。
効果を判定するタイミング
咳を鎮めるには、適切なタイミングで効果判定が必要になります。
咳止めの市販薬の効果が最大限になるのは、服用後、約2時間です。そのため、効果を判定するタイミングは、薬の効果時間に誤差があるのを加味して、約3時間後です。
効果の現れ方は成分や製品によって異なります。改善しない場合や悪化する場合は、市販薬を自己判断で変更せず、医療機関または薬剤師へ相談してください。
病院受診の目安は、咳に伴って「安静時の呼吸困難」「咳と同時に口から出る鮮やかな血」「明らかな浮腫み」「8週間以上の咳」のいずれかの症状が現れた場合です。病院受診する診療科は、呼吸器内科を選んでください。
ただし「明らかな浮腫み」がある場合は、循環器内科を受診しましょう。詳しくは「命に関わる浮腫を判断する!どこの病院が適切か症状別でわかる」の記事を参照ください。
期待していない副作用を判定する
薬の副作用は「薬の効果時間」から出るタイミングがわかります。
咳止めの市販薬の代表的な副作用は、以下のとおりです。
- 痒みなどのアレルギー症状
- 便秘
- 眠気
ここでは、代表的な副作用に対する「副作用の判定」「副作用の対処方法」を説明します。
痒みなどのアレルギー症状が現れた場合
咳止めの市販薬を服用して、1日以内に「全身の皮膚が赤い」「全身の掻痒感」「呼吸困難」などのアレルギー症状が現れることがあります。アレルギー症状の度合いによって、以下のとおり行動が異なります。
- 全身の皮膚が赤いだけの場合は、薬の服用をやめて、そのまま様子を見る。
- 全身の掻痒感があり、居ても立っても居られない場合は、痒みを抑えるために家の近くの皮膚科を受診する。
- 運動していないのに呼吸困難がある場合は、重症化すると命に関わるため、救急を受診する。
便秘が現れた場合
便秘の副作用。副作用は「抗アレルギー薬の作用」が原因のため、抗アレルギー薬を配合していない咳止めの市販薬に変え消失します。
眠気が現れた場合
眠気の副作用が出るタイミングは、2時間ほどです。眠気の副作用が出た場合は、車の運転や仕事など集中力が必要な場面を避けましょう。
まとめ
寝つけないくらいの咳を鎮めるために

咳は、肺の中に異物が入り込むのを防ぎ、呼吸を維持するための反応です。なかでも、風邪による咳は、市販薬を活用すれば鎮めることができます。
咳止めの市販薬をうまく活用するには「選び方」「使い方」「効果判定」が必要です。
受診する時間がとれない場合でも、症状が続くときは医療機関へ相談してください。咳止めの市販薬をうまく活用しましょう。

