この記事の図解

セルフメディケーションの基本

症状だけで薬を選ばず、安全に使える条件を順番に確認します。

  1. 症状を知る

    いつから、どの程度かを整理

  2. 薬を確認

    持病・処方薬との重複を確認

  3. 見切りを決める

    改善しないときは受診へ切り替える

便秘とは

便秘とはのイメージ

便秘を解消するには、便秘とは理解しておく必要があります。

ここでは、便秘を理解するために、「便秘の概要」「便の形成から排出されるまでの過程」について解説します。

便秘の概要

便秘は、疫学的に以下のようなことがわかっています。

平成 28 年の国民生活基礎調査によれば、本邦における有訴者率は男性 2.5%、女性 4.6%で、20~60 歳では圧倒的に女性が多く、60 歳以降は男女とも加齢に伴って増加し、80 歳以上の高齢者ではともに10.8%と男女差がなくなります。

引用 慢性便秘症の診断と治療 日本大腸肛門病会誌 72:583-599,2019

上述より、便秘で困っている人は、若年層では女性が多く、また、加齢に伴って増えていくことがわかります。

便秘

「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」

引用 慢性便秘症の診断と治療 日本大腸肛門病会誌 72:583-599,2019

たとえば、食事を十分摂っているにもかかわらず、週3日以上の排便がなく、生活に支障が出る自覚症状があるような状態は、便秘です。

便秘にともなう自覚症状は、以下の通りさまざまです。

腹痛

残便感

腹部膨満感

排便困難

便の形成から排出されるまでの過程

便が形成される過程を理解する上で、押さえておきたいポイントである「大腸の働き」「便の成分」について解説します。

大腸の働き

大腸は、結腸と直腸から成り立っています。

結腸では、胃や小腸で消化された食物残渣などが送られてくるため、水分やNaイオンなどのミネラルを体内に吸収して、便を形成する役割があります。

一方、直腸では、結腸で作られた便を貯める役割と、肛門から便を排出する役割があります。

このように、直腸のおかげで便の排出を意識的にコントロールできるため、トイレで用を足せるのです。

便の成分

便の成分は大きく分けて、水分と固形物に分けられます。

便の成分は、ほとんどが水分であるため、便の硬さは大腸に滞留している時間の長さに依存します。大腸にいる時間が長いほど、水分が体内に吸収されるため、便は硬くなります。

一方、固形物は食物残渣、死んだ腸内細菌、老朽化してはがれた腸粘膜などで構成されています。そのため、食事量が少ない人でも便は出ます。

便秘によって起こる問題

便秘によって起こる問題のイメージ

便秘は、腹痛、お腹が張った感じ、便が残っている感じなどの不快な自覚症状によって、日常生活に支障をきたすことがあります。また、便秘がひどくなると、大腸に便が詰まって重症化するケースもあります。

ここでは、便秘の原因である、「便秘と食物繊維の関係」「女性が便秘になりやすい理由」について解説します。

便秘と食物繊維の関係

便秘は、食物繊維との関りが強いと考えられています。

食物繊維は、腸内細菌の善玉菌と呼ばれるビフィズス菌などの栄養源になるため、便の形成や腸の動きをスムーズにさせます。

一方で、腸内細菌の悪玉菌が増えると、便の形成や腸の動きはスムーズにいかなくなります。

たとえば、糖質や脂質が多くなるファーストフード中心の食生活は、食物繊維不足に陥りやすいため、便秘や下痢になりやすいです。

食物繊維は、野菜類、芋類、豆類などに多いるため、意識して摂取することを心がけましょう。

女性が便秘になりやすい理由

便秘の疫学をみてもわかるとおり、若年・中年層では女性の方が便秘になりやすいです。理由は「大腸の長さ」「女性ホルモン」が関係しています。

女性は男性より大腸が長い

大腸は、約150㎝あり、男性より長い傾向にあるそうです。

大腸が長い分、便が排泄されるまでの滞留時間が長くなるため、体内に水分が吸収されることで便が硬くなり、便秘になりやすいです。

、個人差あるため、女性全員がは限りません。

女性ホルモンの影響で

生理が起こる女性は、2種類の女性ホルモンが約1月の周期で変動します。

生理が始まる前、女性ホルモンのつであるプロゲステロンの分泌量が増えます。

プロゲステロンは、子宮に作用するだけではなく、大腸の動きを抑制する働きがあるため、便秘を引き起こします。

生理が始まると、プロゲステロンの分泌量は元通りになるため、腸の動きは活発になります。

便秘を解消する市販薬

便秘を解消する市販薬のイメージ

水分と食物繊維十分摂取しているにも関わらず、便秘にることあります。

ここでは、便秘を解消するために「おすすめの市販薬の効果」「市販薬の効果的な使い方」を解説します。

おすすめ市販薬の効果

便秘の市販薬に含まれる主成分は、効果別に大きく分けて「便を柔らかくする」「大腸を動かす」「便の滑りをよくする」の3つです。

便を柔らかくする薬

代表的な成分は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどのマグネシウム系です。

マグネシウムは水分を保持する働きがあるため、便の中に含まれると便は柔らかくなります。

商品名は、酸化マグネシウムE便秘薬、ミルマグLXなどがあります。

大腸を動かす薬

代表的な成分は、ピコスルファート、センノシド、大黄、グリセリンなどです。

それぞれ大腸に作用するメカニズムはます。

しかし、結果的に大腸を動かす作用があるため、同じような薬と認識しても困ることないです。

また、直腸に直接作用して排便をうながす、坐剤・浣腸といった剤形があるのも特徴的です。

商品名は、ビューラック400、タケダ漢方便秘薬、イチジク浣腸などです。

便の滑りをよくする薬

代表的な成分は、麻子仁、ひまし油などです。

麻子仁などの油成分は、便の滑りをよくする働きがあるため、排便しやすくなります。

さらに、麻子仁は、水分を保持する作用も少しあるため、酸化マグネシウムを飲みづらいにもおすすめです。

商品名は、麻子仁丸、オイルデルなどです。

上述の3つの効果を表す成分で構成されています。

市販薬によっては、それぞれの成分がることが多い、自分に合うかどうか成分を見てから、購入よいでしょう。

市販薬の効果的な使い方

便秘の市販薬は、自分自身の便の調子を見て調節するのが基本的な使い方です。

毎日、市販薬を服用しなくても便が出るというは、23日に1回など服用間隔をあけて頓服的に使用しても問題ありません。

一方、用法・用量通り使用しても、便秘が続く場合は、他の市販薬に切り替えたほうがよいです。

また、飲み薬で効果が得られない場合は、坐剤・浣腸を使用するのも1つの手段です。

注意するべき副作用

注意するべき副作用としては、「高マグネシウム血症」「低カリウム血症」です。

高マグネシウム血症

万が一、高マグネシウム血症の初期症状である、嘔吐,筋力低下、傾眠などが現れた際は、できる薬剤師や医師に相談するようにしましょう。

腎臓が悪いは、高マグネシウム血症になりやすいため、定期的な採血を病院でしてもらうなど注意が必要です。

低カリウム血症

「甘草」が含まれている漢方の便秘薬長期服用すると低カリウム血症を引き起こすことがあります。

そのため、「甘草」が含まれている漢方の便秘薬を長期服用する場合は、定期的に病院で採血して血中のカリウム値をチェック安心です。

定期的に病院へ採血しに行けない場合は、低カリウム血症の初期症状である食欲不振、脱力、不整脈などが現れないか注意が必要です。

万が一、低カリウム血症の初期症状が現れた際は、できる薬剤師や医師に相談するようにしましょう。

まとめ

便秘で悩まないために

便秘で悩まないためにのイメージ

便秘は、放っておくと生活に支障をきたすことがあります。そのため、食物繊維不足になりやすい食生活や女性は、便秘にならないよう注意が必要です。

便秘になってしまった場合は、自分自身の排便状態に合わせて、便秘に使われる市販薬を選びましょう。

しかし、用法・用量を守らず飲み過ぎ長期服用していると、副作用の現れる可能性があるため注意必要です。

便秘で悩まないために、効果的な市販薬で便秘を解消しよう。

参考資料
相談を予約するほかの記事を読む